新型コロナで収入が減少した世帯を対象とした総合支援資金(特例貸付)を利用する人が増えているみたいですね。
緊急小口資金と同様に以前からあった制度で、特例で審査は緩くなっています。
ただし、緊急小口資金より審査に時間がかかったり、落ちたりする人も多いようです。
今回は総合支援資金(特例貸付)に落ちる理由と絶対にやってはいけないことについてまとめました。
目次
総合支援資金(特例貸付)の手続きの流れ
手続きの流れは緊急小口資金と同じく、市区町村の社会福祉協議会で申込を行い、審査は各都道府県の社会福祉協議会で行います。緊急小口資金と違う点は、ろうきんや郵便局での申請ができないことです。
申請用紙は厚生労働省のHPではなく、各都道府県の社協のHPからダウンロードできるところがほとんどです。都道府県によって様式が異なる場合があるので、他県のものを使用しないようにしましょう。
緊急小口資金の貸付が決定している場合は、住民票や免許証のコピーが不要な場合があります。
また、お住まいの市区町村の社協よっては郵送でのみ受け付けていたり、窓口で受け付けについて予約が必要な場合があります。
飛び込みで窓口に行く前に事前にお電話で確認しておくのが確実です。
総合支援資金(特例貸付)審査は厳しい?
ヤフーの検索窓で総合支援資金と打ち込むと「総合支援資金 審査 落ちた」とか、審査に関するキーワードが多く表示されます。
実際のところ審査はどうなのでしょうか?
総合支援資金を検討されているということは、おそらく緊急小口資金の特例貸付を利用されている方が多いと思いますが、基本的には要件は同じです。
必要書類も、厚生労働省のHPのQ&Aでは給与明細書などは求めないとしていますので、収入の増減額が審査には影響しません。あくまでも新型コロナの影響で収入が減少していれば要件を満たしていることになります。
つまり、要件を満たしていれば審査に通るということになります。
管理人の知り合いは緊急小口資金の貸付を受けてから、総合支援資金を申請した人がいるのですが、追加で書類の提出や提出書類について確認もなく、2週間ほどで振り込みされています。
でも、中には審査に落ちた人もいるようですが、どのような方が審査に落ちたのでしょうか?
総合支援資金(特例貸付)は失業してない人も対象?
総合支援資金は主に失業された方を対象としていますが、新型コロナの影響により収入が減少した場合も対象となります。ネット上では厚生労働省の特設サイト以外にも、各都道府県の社協、また特例貸付ではない過去の情報もあって失業でないと申請できないと思われている方も多いようです。
厚生労働省の特設サイトから確認できます。
総合支援資金(特例貸付)の対象は月収はいくらから?
総合支援資金(特例貸付)の対象となる月収については特に金額を定めていません。新型コロナの影響により月収が減少した場合は対象になりますので、例えば手取り月収が40万円の人が翌月に35万円になってしまったという場合は対象になります。
減少幅に関係なく、現状の生活が厳しいのであれば申請できますので、詳しくは厚生労働省のHPで確認しましょう。
特に現時点では、給与明細書や通帳の写しなどの提出は必要なく、申立書による自己申告になっています。
総合支援資金(特例貸付)の審査に落ちた理由
審査に落ちた理由については、個別に開示しているわけではないので公式なものではないのですが、同じ世帯の方で公務員がいる方は審査に落ちたという情報を見つけました。
公務員の場合、コロナによる収入減は基本ないので、これが審査落ちの理由の可能性はありそうです。ただ、他の理由も考えられるので、収入が減少して困っているのであればまずは申請してみましょう。
以下の場合も貸付を受けることができませんので、
他の制度を利用することになります。
・事業の運転資金の貸付⇒総合支援資金はあくまでも生活再建の制度なので、事業資金のやりくりが厳しいという方は「新型コロナウイルス感染症特別貸付制度」または「持続化給付金」をご利用ください。
「新型コロナウイルス感染症特別貸付制度」の相談窓口
日本政策金融公庫事業資金相談ダイヤル:0120-154-505
「持続化給付金」の相談窓口
持続化給付金事業コールセンター:0120-115-570
・生活保護受給者
⇒生活保護受給者は対象外となっています。生活が苦しい場合は自治体の担当部署にご相談ください。
これまでとどう変わったの?
これまではとにかく貸付の要件が厳しかったです。
税金が使われているわけですから、当たり前ですが、
↓こちらが本来の貸し付け要件です。
・低所得者世帯(市町村民税非課税程度)で、失業や収入の減少などによって生活に困窮していること
・公的な書類などで本人確認が可能であること
・現在住居のある人、または、住居確保給付金の申請を行い、住居の確保が確実に見込まれること
・法に基づく自立相談支援事業などによる支援を受けるとともに、社会福祉協議会とハローワークなど関係機関から、継続的な支援を受けることに同意していること
・社会福祉協議会などが貸付け及び支援を行うことにより、自立した生活を営むことが可能となり、償還を見込めること
・他の公的給付または公的な貸付けを受けることができず、生活費をまかなうことができないこと
・原則保証人が必要
特例貸付についてはこれらの要件はなく新型コロナにより収入が減少していることを本人が申し立てていれば、要件を満たすとしています。保証人も不要となっています。
国も社協に対しては証明書類の提出はなるべく求めないようにお願いしていますので、申請もスムーズにできます。
総合支援資金の特例貸付の上限額
総合支援資金は貸し付け上限が20万円の緊急小口資金よりもさらに貸付金額が大きくなっています。
2人以上の世帯だと最大20万円×3か月=60万円借りることができます。収入が少なくなった世帯にとってはかなり大きいですね。もちろん返済が必要なお金なので、あくまでも生活費に充てるようにしましょう。
・2人以上の世帯:月20万円以内
・単身世帯:月15万円以内
・貸付期間:原則3か月
まずは緊急小口資金を利用しよう
総合支援資金は申請から振り込みまで3週間から1か月ほどかかります。緊急小口資金であれば1週間から2週間ほどで振り込みされますので、まだ利用したことがないかたは緊急小口資金から申請するようにしましょう。
審査中に生活費が足りなくなることを防ぐためです。緊急小口資金を先に申請しておくと、総合支援資金の申請時に提出書類が一部省略できますし、同時に申請もできます。
⇒緊急小口資金【特例貸付】申請から振込までかかる日数を都道府県ごとに調べてみた
絶対にやってはいけないこととは?
総合支援資金の申請から貸付までは3週間から1か月ほどかかります。
絶対にやってはいけないのが、公共料金や税金などの支払いに間に合わなくなり、キャッシングやカードローンでをお金を借りて、総合支援資金からの貸付金を返済に充てることです。
総合支援資金の貸付の要件はかなり緩くなっているとはいえ、個々人の状況によっては貸付できない場合あります。
借り換えはそもそも禁止ですし、キャッシングやカードローンで借りたお金は利子が高いので、貸付ができなかった場合は返済が難しくなり、さらに生活が苦しくなります。
公共料金や税金の支払いも同様に、新型コロナの影響で収入が減少した場合は分割払いにしたり、支払いを猶予したりできますので、まずは相談してみましょう。
窓口で断られた場合の対応
総合支援資金は従来は失業者など対象としていましたが、特例によって対象を新型コロナによって収入の減少が続く世帯も対象としています。
つまり、コロナの影響で収入が減っていれば失業者や休業中でなくても対象となります。
しかし、社協の窓口では要件を満たしていないと申請を受け付けてもらえなかったという情報もありました(未成年で親の同意がない、生活保護を受けている、すでに同一世帯で貸し付けを受けている、暴力団関係者であるなどを除けば申請は可能)
これについて、厚生労働省は各都道府県の社会福祉協議会に対して7月3日付の事務連絡で現場での運用を示しているので、6月以前に断られた場合は、改めて市区町村の社協に問い合わせてみるといいでしょう。
「生活支援資金 事務連絡 7月3日」で検索すると確認できるので、窓口で断られた場合はこちらを見せて確認しましょう。
※7月17日時点での情報です。運用は変わる可能性があるため、常に最新の情報を確認ください。
引用:事務連絡「生活福祉資金貸付制度における緊急小口資金等の特例貸付の運用に関する問答集(vol.11)について」(一部抜粋)
まとめ
基本的に、審査はほぼ行われておらず、貸付の要件を満たすかどうかをチェックしているようですね。
ネット上では審査が厳しいのか、落ちた人がいるのかという質問が多いですが、申請してみないとわからないというのが本当のところだと思います。
審査に時間がかかることから、緊急でお金が必要な場合は他の制度を利用した方がよい場合もあります。
この先もコロナで収入の減少が続くようであれば、お近くの社協で相談されることをおススメします。
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