緊急小口資金の特例貸付には返済の時期までに収入の回復が見込めない世帯に対しては返済免除が認められていますが、具体的にはどのような状態が該当するのでしょうか?すでに貸付を受けたけど、収入の改善が見込めない世帯やこれから申請を検討している世帯はぜひ知っておきたいですよね。

そこでこの記事では緊急小口資金(特例貸付)の返済免除についての具体的な要件をわかりやすくまとめてみました。




緊急小口資金の返済免除・猶予ができるケース

緊急小口資金の返済免除または猶予ができるケースは2つあります。

・大きな災害の被災や傷病で返済が難しくなった場合

・返す時になってもなお収入の減少が続く場合(住民税非課税世帯)

具体的な要件については、各都道府県の社協のHPでお知らせがあるのでチェックしてみてください。




 

住民税非課税世帯って年収はいくら?

緊急小口資金の返済免除・猶予の要件として住民税非課税世帯がありますが、年収にするとどれくらになるのか説明していきたいと思います。

【非課税限度額の基準】
■均等割 所得金額≦35万円×世帯人数+21万円(※2)
■所得割 所得金額≦35万円×世帯人数+32万円(※2)
世帯人数:本人、控除対象配偶者及び扶養親族の合計数
※2 21万円、32万円の加算は、控除対象配偶者又は扶養親族を有する場合のみ

均等割の方が基準が低いため、均等割が非課税になれば住民税非課税ということです。

出典:https://allabout.co.jp/gm/gc/472284/

ちょっとわかりにくいので具体例を出してみましょう。

■会社員(独身)……年収100万円以下
所得金額が35万円以下で住民税非課税。収入に換算すると年収100万円
【年収100万円】-【給与所得控除65万円 ※3】=【所得35万円】

■会社員、専業主婦、子ども1人の3人世帯……年収205万円以下
所得金額が126万円(35万円×3+21万円)以下で住民税非課税。
【年収205万円】-【給与所得控除79万5000円 ※3】=【所得125万5000円】

■会社員、専業主婦、子ども2人の4人世帯……年収255万円以下
所得金額が161万円(35万円×4+21万円)以下で住民税非課税。
【年収255万円】-【給与所得控除94万5000円 ※3】=【所得160万5000円】

※3 給与所得控除額は年収によって変わります

出典:https://allabout.co.jp/gm/gc/472284/

住んでいる地域によって均等割の非課税限度額が変わってくるので、詳細はお近くの社協に相談しましょう。返す時になっても状況がよくなっていなければ、返済を免除できる可能性があります。

キャッシングやカードローンと違い、先のことをあまり心配する必要はないのですから、お金を借りることに抵抗がある方でも申請しておいた方がいいと思います。

※追記 2021年2月2日、厚生労働省は2021年度、22年度の住民税非課税世帯に対しては一括で返済免除をすると発表しました。

緊急小口資金の返済免除・猶予についての窓口対応

ネットの書き込みを読んでいると社協の窓口で返済免除できるかという問い合わせをされている人が結構いるみたいですね。貸し付け制度なので、返すつもりがない前提で話をされると職員の方も「返済免除はできません」という対応になるかと思います。

返済免除の対応について、1年後(償還時)にならないとわからないというのが本音だと思います。返せるか不安という気持ちも理解できますが、1年後にそのような状況であれば免除猶予といった相談もできるので、今は心配する必要はないと思います。

緊急小口資金の特例貸付は、コロナの影響で生活が厳しい人を救済する目的で作られた制度です。貸し付けた人の生活がさらに苦しくなるような対応をすることは考えにくいのではないでしょうか。

※令和4年3月末日以前に返済が開始となる貸付については、また令和4年12月末まで据置で令和5年1月から返済が開始します。申請した都道府県の社協からコンビニや銀行で支払いできる払込票が届きます。

月々の返済額はいくら?

緊急小口資金(特例貸付)の貸付金額は20万円で、2年間(24回)の無利子返済となります。月々の返済額は月々8,330円(最終月8,410円)です。

返済がスタートした後でも返済免除の要件(住民税非課税世帯)に該当する場合は免除の申請をすることができます。一度納付したお金は戻すことができないので、返済免除の申請中は払込票を届いた場合は一旦保留にしておきましょう。

まとめ

緊急小口資金は貸し付けなので、1年後は返済が必要です。ただし、収入が減少して返済が難しい場合は免除猶予できる可能性があります。緊急小口資金の返済をキャッシングカードローンで借りたお金を充てないようにしましょう。

返済の見通しが立てられない場合は、まずは社協に相談するのがいいと思います。

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